善福寺日乗

ある職業的散歩者の日記

On lâche rien 

 この30年ほど日本社会は苦境に喘いできましたが、近い将来、今日の苦境さえもが楽園に思えるほどの破局がやってくるのではないか。そのとき、かつてナチスがそうしたように、打ちのめされた人々のルサンチマンにつけ込む排外主義的な勢力が権力を奪取するのではないか - 安倍晋三の同志として知られる本田悦朗に関するThe WALL STREET JOURNALの記事(有料記事なので、下記のサイトを参照してください)を目にして以来、そんな思いを抱いてきました。 

「アベノミクスで強力な軍隊」内閣官房参与の本田悦朗氏が米紙に語る | ハフポスト

  危機感に駆り立てられ、そもそも長期的な衰退の根本的要因は何なのか、破局を回避するためにはどのような制度設計や政策の転換が必要なのか、それを実現するためにはどんな運動を構想すべきなのか、といったことを7年近く考え続けているにもかかわらず、焦燥だけが募るばかりで、いまなお見当すらつかない有様です。

 ときおり何もかもが面倒になり、もう働くこともやめて年金暮らしに入り、旅やトレッキングを楽しみながら残された時間を過ごしてもバチは当たらないのではないか。あるいは理屈っぽい本や数式まじりの小難しい論文に挑戦するのはもう諦めて、お気に入りの詩集や小説を肴にほろ酔い加減の余生を送るというのも悪くないかもしれないといった弱気にとらわれることもあるのですが、そんな時に聴くのがこの曲、HK & Les Saltimbanksが歌う”On lâche rien”(あきらめないぞ!)です。

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 そんなわけであと3年は老骨に鞭を打ちつつ頑張りたいと思いますので、呆れずにお付き合いください。